イリス商会オランダ商館であるクニフラー商会を起源とする商館。商館名ともなるカール・イリスが入社、後に経営権を継承しイリス商会となる。横浜に拠点を置いたが、神戸にも支店を設ける。扱った商材は商館時計だけではなく、やがて水道・鉄道・紡績など多岐に渡り貿易商社として日本の近代化に大いに貢献したとされる。神戸では、建築業機器で有名なBOSCH(ボッシュ)の修理をするなどBOSCHの日本進出にも貢献。現在もドイツの輸入機器を取り扱う商社 株式会社イリスとして存続している明治初期創業の老舗企業である。商館時計とは商館時計は、幕末明治時代に外国商館が販売した懐中時計で、日本人が携帯する時計として初めて輸入された懐中時計のこと。主にスイス製でその形状やスタイルは約50年間に渡るロングラン商品であった。日本に初めて来日したスイス人時計師が調査考案した形状やスタイルは、ファブルブラントにも受け継がれ、現在の日本の時計史に大いに貢献した時計と言える。ポールファブルのの商館時計です。ポールファブルは、横浜に拠点を設け、神戸にも支店を持っていたイリス商会が扱ったことで知られる。この商館時計の秒針部分のスモールセコンドですが、中心のきわにあり、大きなスモールセコンドとなっております。商館時計のスモールセコンドは、中心部よりやや下に位置し空間があるものが多いのですが、この時計はそこに違いがありまた違った雰囲気を持っています。スモールセコンドの大きさや位置の違いでもかなり雰囲気に違いが生じるので、商館時計の楽しみ方であり魅力の一つとも言えます。商館時計は、「どれも同じ」とよく言われますが、実はそれぞれに特徴があったりするものです。深く知れば知るほどその違いが目につき、より興味が湧いてくるという魅力ある時計なんですよ。猫や犬を飼ってらっしゃる方ならわかりやすいことですが、同じ色味の猫種や犬種であっても見えれば自分とこの子とすぐにわかると思います。飼い主であれば極々当たり前の話ではあるのですが、飼ってらっしゃらない方からすれば全くわからないという違いです。同じような白い琺瑯文字盤、同じような装飾針、同じようなケース、同じようなリューズ、同じような環ではあるのですが、見る人が見れば実は全く違うものなんですよ。このポールファブルの装飾針は、少し違っていますよね。根元や石までの軸などに意匠が施されておりゴージャスな針になっています。このような豪華な針に出会えるのも商館時計ならではではないでしょうか。今の時計では味わうことのできない豪華さです。▶︎「愛用している特別な仕上げを施したコロン商会 商館時計」JPS仕上げムーブメント修理(不具合箇所の修理)オーバーホールケース研磨洗浄仕上げムーブメント洗浄鏡面仕上げ輪列洗浄鏡面仕上げ文字盤洗浄仕上げ時針分針秒針洗浄光沢仕上げetc.と諸々の作業を行いました。よくある商館時計とは違った受けのデザインになっています。商館時計としては普及品になりますが、このような違いもまた商館時計の面白さです。ムーブメントにはあっさりとしたダマスキン加工が施されてあります。ダマスキン加工とは、主に受けに施された模様のことで商館時計のムーブメントによくある装飾です。全く同じムーブメントでもダマスキン加工が個体によって違っていたりします。このダマスキン加工の模様でその時計の見え方も変わるものです。丸穴車などに黒ずみがあるのですが、それ以外は幾度も洗浄を行っておりますので綺麗に光っておりますが、写真ではお届けできず残念です。ケースは、「0,800」とホールマークが刻印されてあります。商館時計ならではの銀無垢ケースです。裏蓋の魚子模様もしっかりと残っております。凹みなどないので研磨仕上げをすることでまるで新品のような輝きに仕上がっております。商館時計のサイドのほとんどはこの時計のようにローレットになっています。ローレットを挟むようにガラス風防ベゼルと裏蓋が長番で繋がっているのですが、よく目にするのは裏蓋のサイドはスッキリとまっすぐなものが多くあります。この時計をよくご覧いただければわかると思いますが、ローレットと設置する裏蓋部に薄い段があると思います。この段があるないだけでも見え方に違いが生まれるものなんです。ちょっとしたことなんですが、このような違いが高級感に繋がったりするものなんですよ。この時計は、スモールセコンドを大きくしていたり、装飾針をゴージャスに意匠を施してあったり、ケース裏蓋やガラス風防ベゼル部分に段を施したりと工夫が施されてあります。様々な外国商館が商館時計を扱っていた時代において、高価にするのではなく、どうすれば高級に見えるのか売れるのかなどを真剣に考え、工夫を施した時計であることが見てとれます。そうした背景を探り、明治時代に思いを馳せることも商館時計の醍醐味です。大変高級感のある商館時計です。商館時計ならではの55mmという大きさです。商館時計は大ぶりな時計としてご存知だと思います。当初は大きいものが流行った傾向があり、大きいのものが主流でした。アメリカ時計などでもその兆候があり、鉄道時計を見れば一目瞭然です。当初は大きいものが主流でしたが、やがて少し小ぶりのものに変遷していきます。日本の懐中時計史においても同様で、大阪時計も精工舎も初めは大ぶりの懐中時計でしたが、やがて小さいものへと変遷していきます。その時期にはそれぞれ早い遅いがあるのですが、同じような動きを辿っていきます。日本の懐中時計史においては、その変遷時期が遅れれば遅れるほど時代の波に乗れずにのまれ去っていく傾向にありました。商館時計も同様で、そういった流れがありました。少し小ぶりのものが主流の時期に大ぶりの時計は売れずにいた時期があったんです。アールシュミットの商館時計に顕著に見受けられたりもします。このような時代背景なども商館時計の楽しみ方でもあるんですよ。イリス商会のポールファブルは、コロンやファブルブランなどとは違い、マイナーな商館時計ではありますが、大変よく工夫されている良い商館時計です。そして、そのイリス商会は今でも存続する商館。明治初期から現代まで、この日本において歴史を刻んできた数少ない貿易商社です。しかしながら、残念なことにそのことを知る方は本当に少なく、これもまた現実でもあります。だからこそ商館時計は奥の深い時計なんです。商館時計に関心を持ち興味を持つと個々の違いが目につきわかってくるものです。商館時計は、幕末に日本にやってきた初めてのスイス人時計師によって調査され形作られた時計です。日本人の好みに作り上げられたもの、明治であれ現代であれその感覚は日本人ならではのもので今も変わらない本質的なものと言えます。Simple is bestとよく言いますが、商館時計はまさにその言葉が相応しい時計です。複雑な時計、デザインの凝った時計、高価な時計など現代には溢れていますが、シンプルに「刻を知る」時計というのも良いものですよ。少しでも感じていただけますと嬉しい限りです。▶︎商館時計に漂う明治時代の魅力ポールファブル イリス商会 石付き意匠装飾針 商館時計横幅:55.4mm縦幅:72.1mm(リューズまで)/ 82.1mm(環まで)厚み:18.5mm重さ:116.50g価格 48,900円(保証付) SOLD OUT商館時計は手をかけてやればやるほど良い時計になります。明治時代の時計にしかない上品な魅力が商館時計にはありますので多くの方に知っていただけると嬉しく思います。▶︎「JPS仕上げ お客様依頼の小型のコロン商会 舞鶴印 高級仕様 商館時計」はこちら商館時計ならJPSにお任せください。JPS仕上げにより甦りますので、お気軽にご相談ください。